晴れた午後、公園のベンチで【短編】
キイッと軋みながら開かれた扉。
「先生!! 勝手にお邪魔します!!」
「はいどーぞ。」
私は勝手にあがりこんで来た男に原稿の束を渡す。
編集部の私の担当である彼、小淵。
小柄で気弱そうな男。
「小淵君、私やっぱりミステリー嫌だ。」
唐突に言うと小淵は眉をしかめる。
「けど、先生のミステリーは評判いいんですよ。」
私は子供みたいにプクッと頬を膨らませた。
「やだなぁ〜。」
「わがまま言わないで下さい。じゃあ失礼します!」
小淵は原稿を抱えて出て行った。
気弱そうなくせに強気でやんの。
あ〜疲れた。