*RAIN*~雨のように強く~
散
私は籠の中の鳥。
カーンカーン...
今日も鐘が鳴り響く。
何回この鐘の音を聞いただろうか?
「もう夕方・・・」
私はチラッと窓の外を眺めた。
見ると空はしだいに
色を染めていた。
毎日毎日のこんな過ごし方には
慣れてしまった。
特に何も感じない。
ただ一日をなんの感情もなく
過ごしている。
面白いなんて思った事がない。
外には滅多と出してもらえない。
結婚相手も私が知らない間に
決まっていた。
私は何も知らない。
聞いてない。見てない。
私、レイン・クリティファー。
世間で言うならば私は16歳。
雨の国のプリンセス。
私はずっと非難されてきた。
私は雨の使い手―――。
雨を自由に降らして、
農作物を豊かにしたりして
雨を自由に操る事が出来る。
私が非難されてきた理由は・・・
私は人の心に雨を降らすしか
出来ない・・・・。
だから私は人の不幸を
もたらす疫病神・・・・。
所詮私なんて・・・
いない方がいい。
このまま蒸発してしまえば
いいのに・・・
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