*RAIN*~雨のように強く~
「やっと顔見せたな」
カイはいたずらっぽく笑う。

「えっ・・・」

「うつむいてばっかりだったから、
心配していたんだぜ?」
カイは手を伸して
私を抱きよせる。

「カ、カイ!?」
思わぬ展開に驚きと恥ずかしさで
いっぱいだった。

「大丈夫だからな」
カイは私が今寂しがっていると
思ってる。
カイは昔から私が寂しい思いを
しているのを知っているから・・・

・・・だけど今は違う。

カイは気付いてくれない。
どうして私の想いに
気付かないの・・・・。

気付いてよ・・・・

気付いて・・・・!


それからカイは気付くことなく
私を体から離した。
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