永遠(とわ)に…
「手………」
お店を出る時から、安西さんは、私の手を握ったままだった。
知ってか、混乱してか分からないけど…
「ごめん。迷惑だった?
雪が積もってるし 足元危ないでしょ?
それに、又 変な奴に絡まれたりしたら 大変だしねぇ。」
「有り難うございます。…」
知ってて手を繋いでくれてたんだ。
ちょっぴり恥ずかしいけど、彼氏みたいで嬉しいかも…
「この辺り 飲み屋街でねぇ。夜になると ネオンが灯り 凄く綺麗なんだ。昼間の景色とは、大違いでねぇ。
君は、学生さんだから こんな所には、来る事 無いだろうけどねぇ。」
「うん。何だか 別世界みたいで… 新鮮です。」
「クリスマスになるとよりいっそう 賑やかになるからねぇ。」
「周りを見てもカップルばかりですよねぇ。…」
「僕達もあの人達から見るとそう見えるのかな?」
「えっ?…」
「冗談だよ。そんな風に見えたら、君が可哀相だ。」
「どうしてですか?別に私は…」
良いのに…
こんな素敵な人と恋人同士に見えたって…
「ごめんねぇ。寒かったでしょ?マンション あそこだから…
ここで、待ってて 車 取って来る。」