永遠(とわ)に…

「そうですね。僕にも真奈ちゃんみたいな娘がいても おかしくないですからねぇ。」


「恋人とかは、居ないのか?」


「居ませんよ。でも、遊ぶ女には 不自由はしてませんけど…」


「そっかぁ…
お前は、昔から モテてたからな…」


「僕には、あの人以外 興味はありませんでしたけどねぇ。」


「翔?そろそろ あいつの事は…」


「忘れろ!って 言うんですか?」


「そうは言ってないさ。省吾と同じく お前にも前を向いて 歩いて欲しい。」


「僕と親父を一緒にしないで下さい。それに、彰さんだって…
人の事 言えるんですか?」


「どう言う意味だ!」


「加奈ちゃんや真奈ちゃんを大切にしてあげたらどうです?」


「あぁ〜これからは、そうするつもりだ。随分 悲しませて来たからな。」


「貴方も彼女の事を忘れられずにいたんですからねぇ。」


「翔……」


「すみません。今夜は、僕もどうかしてます。これから、女性客が増えますし お帰り下さい。
僕も、仕事に戻りますから…」


「分かった。そうするよ… これは、僕からのプレゼントだ。紗耶香の生涯を書き綴った 作品だ。
亡くなる前に 頼まれてね。翔に打ち明けて欲しいと…
じゃ、又 来るよ。加奈子とね。」



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