クリスマスに別れのKiss 【完】
「痛いんだけど…」
「ごめん」
強く握った手を慌てて、上杉隼人は離した。
「真奈美さん留学するんだ…」
上杉隼人は、二人の後ろ姿を見つめながらつぶやく。
「聞いた」
「裕二にとってこれが最後のチャンスなんだ」
「告白するの?」
「そう言ってた…」
あんたは、それでいいの…?
出かけた言葉を飲み込む。
他人の気持ちがわからない事が、こんなに苦しいという事を初めて知った…。
「二人には幸せになって欲しいな」
上杉隼人がポツリと零した。