クリスマスに別れのKiss 【完】


アタシの服が床に脱ぎ放たれている。



億劫だけど、ベッドから手を伸ばす。





服を手に取る時、人の気配を感じた。



顔を上げると、開いたままのドアの前を通りすぎる男と目が合った。





知っている男。



というか…同じクラスの男子。



上杉隼人…。





あぁ…。



あまり考えなくても、理解できた。



兄弟だったんだ。





「おまえ、こんなとこで何やって…」



彼は途中で言葉を詰まらせ、アタシから視線を逸らした。


< 9 / 76 >

この作品をシェア

pagetop