KANZASHI
「そうか・・・わかった。
結衣、悪かったな?
結衣が今幸せなら、
俺はその幸せを願うわ。」


「てっちゃん・・・」


「結衣、幸せになれ。」


「・・・うん・・・」


「じゃあ、俺は行くわ。
またな、結衣。」


「うん・・・てっちゃん。
ごめんな・・・」


てっちゃんはニコッと微笑んで
手を振り帰って行った。



きっとまだ何か言いたかったんだろう、
ファンのみんなのこととか、
今までのこと、これからのこと、
もっと話したかったんだと思う。

でも、てっちゃんは何も言わなかった。


話せば、私の心が揺れるから・・・


幸せを失いたくないって言った、
私の心が揺れるから、
てっちゃんは何も言わなかったんだ。


私の幸せを望んでくれてたんだ。



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