KANZASHI
「雅宏は私があの世界に帰ってええの?
もう会われんくなるねんで?
デートしたりできんくなるねんで?
雅宏はそれでもええの?」


結衣は声を荒げて雅宏に詰め寄る。


「逢われへんなんて・・・
そら今みたいにはいかんやろうけど、
けど、まったく逢えなくなる
なんてないし、
いつだって逢いに行ける。」


「いつだって? 甘いよ!! 
雅宏、そんな甘い世界じゃないよ?
毎日毎日仕事で、
きっと全然逢えない、
すれ違って別れるに決まってる!!」


「結衣・・・」


私は一番言葉にしたくない言葉を
口にしてしまった。


別れる・・・


そんなこと考えたくもない!!



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