KANZASHI
「普通の生活できんとか、
過去に何があったとか言ってるけど、
そこにあんたの音楽への気持ちが
全然ないやん!!」


「・・・・・」


「歌が好き好きで仕方なくて、
毎日歌って練習してた、
結衣が音楽に掛けた情熱が
純粋に好きと思った気持ちが
どこにもないやん!!」


「麻帆・・・」


「結衣がためらってることは
音楽よりも、歌うことよりも
大きなことなんか?
音楽を諦めな解決できひんことなんか?
あんたの気持ちはもう音楽にはないんか?
そんなことで大好きな歌を諦められんのか?」


大好きな歌・・・


「無いって言うんやったら、
私はもう何も言わへん。
今の暮らしが音楽より大切なら、
もうあの場所で歌えなんて言わへん。
その時は私もKANZASHIを諦める。」


「麻帆・・・!!
あんたそこまで結衣と・・・」


麻帆は言い切った。
結衣なしのKANZASHIなら
復活はしないと。



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