KANZASHI
「みんな・・・」


「絵里奈、どうしたん?」


麻帆がそう言うと、みんなは
絵里奈のまわりを取り囲んだ。



「俺と話してるときに
急に調子悪くなって・・・」


壁際に立っていたてっちゃんが
経緯を説明してくれた。



「絵里奈・・・」


私は絵里奈の顔をじっと見つめた。



「いろいろ考えて、悩んでたんや・・・
絵里奈は一人で・・・」


絵里奈が・・・一人で・・・



「てっちゃん・・・
余計なこと言わんといてよ・・・
私のキャラ・・・変わるやん・・・」


絵里奈は今にも消えそうな声で
少し不満そうにそう言った。


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