KANZASHI
「これでみんな揃ったな。」


「うん。」


「よかったね、
よかったね絵里奈。」


初音は涙を流しながら、
結衣が握っている手とは逆の
右手をそっと握り微笑んだ。



「初音・・・」


「でも絵里奈、私は甘やかさへんで?
あんたのせいで私は
下手なギターをすることになったんや、
だから今度はばんばん
ギター弾いてもらうで!!」


「うん・・・」


「ホンマ、結衣がギター下手やからなぁ、
絵里奈が帰って来てくれて助かるわぁ。」


「はぁ? なんや栞?」


「はぁ? ホンマのこと言っただけやろ?」


「なんやとぉー!!!」


結衣と栞が睨み合う。



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