KANZASHI
「こいつは逢沢瑠香。
結衣なら知ってるか?」


「もちろん、今注目の
天使の声を持つ少女やろ?」


「まぁ、少女って言っても
もうすぐ二十歳やけどな。」


「はじめまして、逢沢瑠香です。」


瑠香は深々と頭を下げた。


「いや、こちらこそ。」


私たちも小さく会釈をする。



「結衣のライバルになるかと思ってな。」


「私の?」


「鉄成さん、やめてください!!
私なんかまだまだ結衣さの
足元にも及びません。」


瑠香は慌てて鉄成の言葉を否定した。






< 277 / 331 >

この作品をシェア

pagetop