KANZASHI
「すいません、結衣さん!!」


瑠香は今度は謝罪の意を込め、
深く頭を下げた。



「頭を上げて。
あなたの声は本当に綺麗だよ。」


「結衣さん・・・」


「でも私にもプライドはあるからね?
負けないよ。」


そう言って結衣は右手を差し出した。


結衣のニコッとした笑みに、
瑠香の表情もパァと明るくなり、


「はい、私も頑張ります。」


そう言って結衣の右手を両手で握った。


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