KANZASHI
「絵里奈は今、体調が良くなく
この場には立てませんでした。

本当はこの場でみんなと
同じ時間を過ごしたかったはずなのに・・・」



結衣・・・


絵里奈はステージ裏から
結衣を見つめていた。



「何故、絵里奈が?
と、思われる方もいるかもしれません。
そう、絵里奈はKANZASHI解散前に、
一人脱退して行きました。

でもそれは絵里奈にとって
苦渋の決断だったんです。

自分の体が弱いことで私たちに、
KANZASHIに迷惑がかからぬようにと
絵里奈は一人去って行ったんです。

本当は歌が大好きなのに、
ギターが大好きなのに、
KANZASHIが大好きなのに・・・


絵里奈にとってKANZASHIは
すべてだったんです。」



「結衣・・・」


絵里奈の目には涙が滲んでいた。








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