KANZASHI
「もちろんやぁー!!!
絵里奈ぁぁぁー、待ってるでぇ!!!」


客席からそう大きな声が飛んだ。


「絵里奈ぁぁぁー!!!」


「絵里奈ぁぁぁー!!!
待ってるぞぉー!!!」


会場から次々と
絵里奈の名を呼ぶ声が・・・


そしていつの間には会場は、
『絵里奈!!』コールにつつまれていた。


結衣の顔がパァッと明るくなった。


「ありがとう・・・」

結衣はまた客席に深々と頭を下げた。




絵里奈、聞こえてる?


みんながあなたの
帰りを待ってるよ・・・


絵里奈、聞こえてる・・・?



「結衣・・・ありがとう・・・
ありがとう・・・」


絵里奈は両手で顔を押さえ、
泣き崩れた。






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