KANZASHI
でも私はバンドはやらなかった。
もうバンドはしたくなかったんや。


バンドをやってしまったら、
中途半端に歌ってしまったら、
未練が残る・・・


止められなくなる。


だから私はやらなかった。




「なぁ結衣、お願い!!」


麻帆がここまで言ってる。
私も麻帆の力にはなりたい。



「でもなぁ・・・」


「お願い!!」



それにお客さんを
楽しませたいっていう
麻帆の気持ち・・・

それは無駄にしたくない。



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