空に染まる。
「じゃあ、またね」


詩穂がそう言う。


今日の詩穂は、私じゃ手の届かない 人に見えた。


詩穂が横断歩道を歩いて行く。


そういえば、探し物って…


「ねぇ!探し物って!?」


向かい側に叫ぶ。


「お守りよ!」


なんだ、これ詩穂のだったんだ…
演劇部にいたのも多分そうね。あの写真を何度も見に来てたんだ。


「詩穂!」


私は向かい側に走る。


「これって…」


「十八女!ダメだ!」
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