神様がくれたわずかな命

第１章 春 健ちゃんと優の出会い

第１章　春







ピピッピピッピピッ。
私の嫌いな音が鳴る。そう目覚ましの音が。
私は布団から手を伸ばし、携帯を掴む。そしてアラームを止める。
…眠い…
毎日6時半に鳴ると、目覚ましが鳴り1日が始まる。　
まだ寝てたい。でも起きないと時間が…。
そうぐだぐだしているうちに、30分が経過していた。
「まだ起きないの？」
下からお母さんの声が聞こえる。
「はーい…今行くー…。」
私は眠い目をこすりながら起きて、カーテンを開ける。
窓の外は、まだ薄暗い。
タンスからタオルを取り、階段を下りて洗面所に向かう。
洗面所の横には、カレンダーが月曜日を示している。
今日は月曜日か～…。また1週間が始まる。と思うと頭が痛くなる。

春ってやたらと眠くなる…。
「おはよー」そう言って家族が居るリビングのイスに座る。
お母さんは眠い顔を見せずに毎日慌ただしい。
お母さんと私は、2人暮らし。
兄は家を出て1人暮らしをしている。
お父さんは、私が小さい時に交通事故でなくなった。とお母さんが教えてくれた。
「ここにお弁当置いてあるから。忘れないでよ。」
お母さんはそう言って家を出て行った。
「はーい。いってらっしゃい」
学校の準備をしてるうちにもう家を出る時間になってしまった。
あっ！やばっ。
私は急いでお弁当を持ち、慌てて家を出た。
今日は雨じゃない。
春の暖かい日差しがうっすら差してる。