tiramisu.

*芽生える友情



紅葉が紅く色づき、少し肌寒い風が頬をかすめる。
あれから2週間。
麗花ちゃんは私に絡んでこない。
それに、クラスの女子の視線も穏やか。
むしろ、私に興味がないようだった。
お昼の休憩とかは、三國と一緒にご飯食べたりしていた。
つまり、私には、女の子の友達が今だいない。
私から、話しかけたり、努力しないせいもある。
だけど、麗花ちゃんからのイジメによって、すっかり臆病になってしまった。
この学校に来たときは、人懐っこくて、女の子の友達もすぐできた。
そんな私が、すっかり変わってしまったんだ。
それだけ、あのイジメの衝撃と傷は深かった。
三國は、初めて私に会った時に言った言葉を忠実に守ってくれてる。
正直、悪いなぁって思ってるけど、三國に離れたら私は一人ぼっちになってしまう。
だから、手放せない。
私にとって三國は、なくてはならない存在になっていた。


「カノ、前の学校の友達とかいないの?」
教室を移動してる今、三國から一つ疑問が打ち明けられた。
前の学校の友達・・・。
「いなかったわけじゃないよ?でも・・・」
途中で言うのを止めた私に三國は続きを求めた。
「いきなり、メールが来なくなって。私からメールしないとこないし、メールが届かない人もちらほら・・・。」
そんな私に三國がため息。
「本当にカノはアホだなぁ。」
そう言ってけたけた笑った。
「分かってるもん!友達として大切にされてないこととか!」
私はほっぺをぷーって膨らませた。
その言葉を聞いた三國は、一回笑うのを止めて、またアホだなぁ。って言ってけたけた笑った。
「何よ!?」
って言ったら、三國はいきなり真剣な顔して
「上辺だけだったからだよ。全部。だから、壊れるんだ。簡単に。」
・・・分かってる。
そんなこと。
知ってる。
でも、本当の友情をつくるのは、難しいんだ。
自分だけ、信頼しあえる友達をつくれた。と思ってても、相手もそう思ってるとは限らない。
だから、麗花ちゃんに簡単に壊された。
メールもばったり来なくなった。
元は、自分のせいだってこと。ちゃんと知ってる。
しばらく返事のない私に三國は
「何もわかんねぇのに、偉そうなこと言ってゴメン。」
って言った。
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