世界の果てまでキミと一緒に。



「……ったく、失礼なクソガキだ。しかもオジちゃんって、俺はまだ29だ」



なんてブツブツ言ってる千尋様。


そんな姿を見て、おかしくなって笑いが込み上げてきそうになるのを必死で隠した。


皆が笑顔で楽しい時間を過ごしている水族館の中で、腕を組んで眉間にシワを寄せたスーツ姿の男性がいたら、誰だって怖いと思うよ。


それに魚に喧嘩売ってるみたいだし……。



「私、水族館って小学校の遠足以来です」


「そうか……」



そう静かに言うだけの千尋様。


水族館なんて子供が好みそうなところは嫌だったのかな?


こんな一般庶民の行くところよりは、やっぱり高級感漂うとこのほうが良かったのかな?


結局、その後も水族館を出るまで千尋様の態度は変わらなかった。






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