世界の果てまでキミと一緒に。
海と緑に囲まれた水族館と違って、千尋様の車はオシャレなビルの前に停まった。
「行くぞ」
それだけ言うと、千尋様は車から降りた。
それに続いて私も車から降りる。
ビルの中に入った時、そこがジュエリーショップだとわかった。
千尋様はお得意様なのか、お店の人は千尋様を“一条様”と呼んでいる。
ショーケースの中には、いろんなジュエリーが並び、色とりどりの宝石が輝いていた。
何でジュエリーショップ?
自分用に何かを買うため?
でも、ここって女性向けのジュエリーショップだよね?
じゃあ、彼女に?
だけど千尋様には特定の彼女はいないはず……。
それとも愛人に?
それを私に選ばせるために、私をここに連れて来たの?