世界の果てまでキミと一緒に。
「藤堂?」
「はい」
書斎の自分の机で、書類を見ながらパソコンのキーボードを叩いていた藤堂は、その手を止めて返事をした。
「桜子の事だけど……。あれから1年が経つが、どうなってる?」
桜子の事を調べるように言って1年になる。
藤堂は俺が頼み事をした時には、すぐに行動して、早く結果を知らせてくれる。
なのに今回は遅い。
藤堂らしくない。
何か手こずっているのか?
「その事ですが……実は……」
俺は書類から藤堂に目を向けた。
「何かあるのか?」
「はい、実はですね、桜子さんの事は社長が頼まれた日から3ヵ月ぐらいで調べることが出来ました」
「じゃー、何で早く知らせないんだ!」
俺は手に持っていた書類を机に叩きつけた。
いつもは淡々としている藤堂とは違う。
この男は何か隠してるのか?