世界の果てまでキミと一緒に。




「何か間違いでも?」



手に持っていた紙を膝に置いた彼がそう聞いてきた。



「あの、お父さんの……」



彼に見られると恥ずかしいと言うより、怖くて聞きたいことも聞けない。



「知らないのか?って、知るわけないか……」



えっ?


知るわけないかって、何?



「お前の父親が経営する会社は潰れたんだよ」


「つぶ、れた?えっ?」



何で?


だって、今日の朝まで普通に生活してたじゃない。


笑顔で朝ごはんを食べて、笑顔で会話して……。


会社が潰れた素振りなんて全く見せなかったじゃない。


私以外の家族は皆、知ってたってこと?




< 13 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop