世界の果てまでキミと一緒に。
「何か間違いでも?」
手に持っていた紙を膝に置いた彼がそう聞いてきた。
「あの、お父さんの……」
彼に見られると恥ずかしいと言うより、怖くて聞きたいことも聞けない。
「知らないのか?って、知るわけないか……」
えっ?
知るわけないかって、何?
「お前の父親が経営する会社は潰れたんだよ」
「つぶ、れた?えっ?」
何で?
だって、今日の朝まで普通に生活してたじゃない。
笑顔で朝ごはんを食べて、笑顔で会話して……。
会社が潰れた素振りなんて全く見せなかったじゃない。
私以外の家族は皆、知ってたってこと?