世界の果てまでキミと一緒に。
実母が受けた仕打ち。
天国から、いきなり地獄へと突き落とされたような感じだっただろう。
そんな実母とお腹の子供を助けたのが、子供を処分するように命令された家政婦だった。
自分の家に住まわせ、身の回りの世話をした。
もしバレてしまったら、お腹の子供は殺されるかもしれない。
もしかしたら自分を助けてくれた家政婦の命も危ないかもしれない。
桜子の実父は、そのぐらいの事を平気でするような人だと思った実母は、世話をしてくれた家政婦に、生まれた子供を知り合いの水瀬夫婦に預けて欲しいと頼んだ。
20年前の12月24日。
雪が舞う寒い季節に、1人の女の子が誕生した。
真冬なのに、桜が大好きだった実母は女の子に付けた名前。
それが桜子だった――……。
そして、その1週間後に桜子は実母の元を離れることになる……。