世界の果てまでキミと一緒に。
「藤堂、すまない……」
俺は藤堂に頭を下げた。
「社長、頭を上げて下さい」
俺は藤堂にそう言われて頭を上げる。
でも、スパイがいると決まったわけじゃない。
これはあくまで藤堂の考えだ。
父には他の考えがあるのかもしれない。
でも藤堂の考えを聞いて、それに納得出来た。
「藤堂、もしスパイがいるとして、もしこの話を聞かれていたら……」
「危険かもしれません」
やっぱり……。
その時、俺の中で藤堂のあの言葉が浮かんだ。
“これだけは約束して下さい。何を聞いても何があっても桜子さんを一生、愛し守っていくと……”
藤堂、やっとわかったよ。
お前が言った言葉の意味が――……。