世界の果てまでキミと一緒に。



椅子から立ち上がり、拳で壁を思いっきり殴った。


“ガンッ”と重たい音が響く。


壁に拳を押しつけたまま、そのままズルズルと崩れていった。


“ポタ――ポタ――”


うなだれ、床に付いた手の間に涙が落ちていく。


今まで泣いた事なんてなかった。


何があっても泣いた事なんて……。


でもそれは強がっていただけで、本当は弱い人間だったのかもしれない。



「藤堂、お前は俺を何度も助けてくれた男だ。俺の願いを……いや、ワガママを聞いてくれないか?」



俺は、もう決めたんだ……。


だから藤堂。


俺の最後の願いを――……。




< 144 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop