世界の果てまでキミと一緒に。




「藤堂、あとはお前に全てを任せていいか?」


「社長!」



藤堂は叫ぶように俺を呼び、俺の前に来ると、その場にしゃがんだ。


俺、情けないな……。


今まで強がっていた俺が、こんなに涙をボロボロ流してさ……。



「社長、逃げましょう」



藤堂が俺の腕を掴む。


その藤堂の目には涙が溜まっていた。



「藤堂……」



こんな俺のために、泣いてくれてるのか?



「例の場所に行きましょう。あそこなら誰も来ません」



俺が父にも誰にも内緒で建てた家。


俺と藤堂だけが知る家。




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