世界の果てまでキミと一緒に。
「さぁな。そこまでは書いてないからわからない。でも、お前を売った金で借金返済して、どっかに飛んだかもな」
何で?何で、何で、何で?
頭の中に同じ言葉がグルグル回る。
親に売られたなんて悲しいことなのに……。
涙も出ない。
私は、ただ、お母さんに頼まれて届け物をしただけなのに……。
って……。
「まさか……」
お母さんが私に届け物を頼んだのは、これが目的だったんだ……。
私をこの家に送り込むために、私に届け物を頼んだんだ。
藤堂さんもこの事は知ってて私をこの家に上がらせた。
急に眠くなったのは、藤堂さんが淹れてくれた紅茶に睡眠薬が入ってたからで、それは私を逃がさないために……。
それは、私は売られた商品だから……。
「やっと、わかったみたいだな」
彼はそう言うと、ニヤリと笑った。