世界の果てまでキミと一緒に。



その時、逃げようとする綾乃さんを藤堂さんが捕まえた。


ワーワー喚く綾乃さんに、藤堂さんは溜め息をつき、スーツのポケットから取り出した手錠を綾乃さんの手を後ろに回してかけた。


て、手錠!?


何で手錠なんか常備してるの?


しかもスーツのポケットから普通に出してきたし……。


手錠をかけられた綾乃さんは、まだ何か言ってる。



「煩い人ですねぇ……」



藤堂さんは、そう言って綾乃さんを持ち上げると、書斎の隣にある部屋に入れドアの鍵をかけた。


そして書斎の中に入って行き、しばらくして書斎から出て来た藤堂さんの手には海外旅行に行くような大きなスーツケースとボストンバッグがあった。



「社長、これで邪魔者はいなくなりました。しかしまだ油断は出来ません」



藤堂さんは、千尋様の前に荷物をドンと置いた。




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