世界の果てまでキミと一緒に。
車の中は、当然会話なんてない。
いや、会話をする余裕なんてなかったという方が正しいのかもしれない。
千尋様の車以外、他の車が通ることもない舗装された山道。
周りに家なんてない。
ただ、木々が生い茂ってるだけ。
どこ行くんだろう……。
助手席から見える窓の外の景色を眺め、そんな事を考えていた時……。
1軒の大きな洋風の家が目に入ってきた。
こんなところに家があるなんて……。
千尋様の車は、その家の大きく立派な門の隣にあるガレージの前に停まった。
そしてキーケースに付いていた小さなリモコンを操作すると、自動でガレージのシャッターが上がっていく。
車が4台ぐらい停められる大きなガレージ。
その中に車を入れ、エンジンを止めると、再びガレージのシャッターを閉めた。