世界の果てまでキミと一緒に。
家の中も凄く広い。
今までいた家と変わらないぐらい。
リビングの大きな窓からは、庭全体が見渡せた。
私はリビングの窓の前に立って庭を見ていた。
「何か飲むか?」
リビングの端に荷物を置いた千尋様がそう聞いてきた。
「いえ、結構です……」
何も欲しくなかった。
食べたり飲んだり出来る状態ではなかった。
「そうか……」
千尋様はそう言って、私の隣に立つ。
リビングの窓の前に並んで立つ千尋様と私。
続く沈黙。
千尋様と私は血の繋がった兄妹……。
知ってしまった真実。
その事ばかりが頭をグルグルしていた。