世界の果てまでキミと一緒に。
「はい」
インターホンから男性の声が聞こえてきた。
「あ、あの……。水瀬と言います。母に頼まれて……」
凄く緊張して声が震えてるのが自分でもよくわかる。
初めての家で、相手がお金持ちだからかな。
「水瀬様ですね。社長から聞いております」
水瀬様だって。
しかも社長って……。
この声の人は、ここの主人ではないんだ。
「今、開けますので、少々お待ち下さい」
「あ、はい」
インターホンが切れたと同時に、門が自動で開いていく。
す、凄い……。
さすがお金持ち。
うちの門なんて手動だよ。
ゆっくり門が開き、広い庭が目に飛び込んできた。
広大なイングリッシュガーデン。
春の花が咲き、所々にベンチやテーブルが置いてあって、噴水まである。
庭と言うより公園みたい。
「お入り下さい」
インターホンから、さっきの男性の声が聞こえてきた。
「あ、はい。お、お邪魔します」
門の中に1歩足を踏み入れる。
広大な庭の先には煉瓦造りの立派な家が見える。
家と言うより洋館と言った方が似合うかも。
私が庭に入った時、うしろの門がゆっくり閉まった。