世界の果てまでキミと一緒に。
ドレッサーの椅子から離れ、さっきいた窓に行き、サッシに手をかけた。
夜空には星が輝いている。
こんな街中でも星が見えるんだ……。
初めてのキスは、セックスは、好きな人としたいと思っていた。
その願いは叶った。
彼のことを思うと、胸がドキドキして、キューと締め付けられる。
簡単に恋に堕ちてしまった。
初めて異性を好きになった。
そんな彼にキスをされ、抱かれた。
本当なら嬉しいことなのかもしれない。
でも、私と彼の関係は恋人でも夫婦でもない。
彼は私の片想いの相手。
彼は私を買った人。
彼のキスにもセックスにも愛はない。
私は、ただの性奴隷。
見上げた星空が歪んでいく。
目に溜まった涙が、頬を伝って流れ落ちていく。
もう、家族には会えないんだ……。
私は、この部屋で彼に抱かれながら生きていくんだ――……。