世界の果てまでキミと一緒に。
「はぁ……」
ふいに出た溜め息。
キーボードを叩く手を止めた。
「お疲れですか?」
溜め息をつき、椅子の背もたれに背を預け、目頭を押さえる俺に、藤堂はそう聞いてくるとクスッと笑った。
「いや……」
「ここ数日、会議やら接待でお忙しかったから、お疲れになってるんじゃないですか?お休みになられたらどうですか?」
「そういうわけにはいかないだろう」
秘書にそう言われたからって、その言葉に甘え、社長である俺が仕事中に休むわけにはいかない。
でも多分、俺が仕事を続けると言っても藤堂は反対するだろう。
「今日は、もう私1人で大丈夫ですから、社長はお休みになられて下さい。また明日から1週間ヨーロッパへ出張ですし」
やっぱりな。
俺の予想通りだ。