世界の果てまでキミと一緒に。
家の玄関の前に立ったと同時に玄関が開いた。
まるでカメラで監視されてるみたいにタイミングがいい。
中から出てきたのは、20代後半くらいの男性。
スーツがよく似合う銀縁眼鏡をかけたイケメン。
「あ、あの……水瀬桜子、です……」
イケメンを前に、更に緊張。
「ようこそ、いらっしゃいました。わたくし社長の秘書をしております藤堂(トウドウ)と申します。あいにく、社長は出掛けておりまして……。そろそろ帰る頃だと思いますので、中でお待ちになっていて下さい」
笑顔でそう言った藤堂と名乗った男性。
だけど、笑顔が少し怖く感じるのは気のせい?
「あ、あの。これを持ってきただけなので……。私はこれで……」
私は藤堂さんに持っていた紙袋を差し出した。
「社長から帰るまで中で待ってもらうように言われております」
「えっ、でも……」
「さっ、中へどうぞ?」
そこまで言われたら……。
「じゃ、じゃあ……。お、お邪魔します……」
私は玄関の中に入った。
重厚感のある木のドアがパタンと閉まる。
「靴のままでどうぞ」
「はい」
ここ日本だよね?
日本なのに靴のままで家に上がるなんて……。
それなのに床が汚れてないって、どういうこと?
私は靴のまま玄関わや上がり、藤堂さんのうしろをついて歩いた。