世界の果てまでキミと一緒に。
自室に入ると、スーツを脱ぎ、ネクタイを緩めた。
そして崩れるようにベッドの上に転がった。
ここは元々、父が愛人と密会するためのだけに建てた家。
家や庭の造り、間取りも愛人の好み。
家を建ててまで愛人と密会を楽しんでいた父。
なのに愛人と別れた今、この家は愛人じゃなく俺のものになった。
沢山ある部屋の中で、唯一、書斎と俺が自室として使っているこの部屋だけは、シンプルなデザインの部屋だった。
それは多分、父が使う部屋であり書斎だったからなんだろう。
あとの部屋は桜子に与えた部屋と同じように、女が好きそうな部屋ばかりだった。