世界の果てまでキミと一緒に。



白い天井を見つめる。


脳裏に浮かんだ桜子の顔。


水瀬夫婦から相談したいことがあると言われたのは先月の事。


水瀬夫婦が経営してい会社が潰れた。


残ったのは多額の借金だけ。


元々、俺の父親と桜子の父親が仕事関係の知り合いで、俺も面識があった。


頼る人もなく、夜逃げか一家心中か……。


そんなところまで追い詰められていた時。


俺の父親に言われた“何かあったら息子の千尋に相談するといい”という言葉思い出し、俺のところに相談にきたとの事だった。


面倒なことには巻き込まれたくない。


面倒なことは全て息子の俺にさせる。


それが父親の性格。


でも水瀬夫婦とは面識があるだけの関係で、友達でも何でもない。


テメェの作った借金で会社が潰れたことを俺にどうにかしてくれと言われても困るんだよ。


でも、父親から“千尋に相談するといい”と言われれば、俺のところに来るのは当たり前で、父親の言う事は絶対だから俺もそれに応えなければいけない。


そんな時、水瀬夫婦から、ある話を持ちかけられた……。




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