世界の果てまでキミと一緒に。
その話とは……。
2人いる娘のうち、上の娘を俺に売るというものだった。
早い話が人身売買。
わざわざ女なんか買わなくたって寄ってくる女は沢山いる。
金を払ってまで女を手に入れようなんて思ってなかった。
なのに、水瀬夫婦に見せられた桜子の写真を見た時……。
不覚にも俺の胸は“トクン”と小さく跳ね上がった。
今まで味わったことのない感情が頭を支配し、気づけば、水瀬夫婦の話に返事をしていた。
俺が水瀬夫婦から桜子を買う。
それも普通のサラリーマンが一生稼げる事の出来ない金額で。
会社再建の約束もした。
その代わり、会社は一条グループの傘下に入り、水瀬夫婦には社長じゃなく社員として働いてもらう。
それから、桜子とは一生会わない……。
この条件を提示し、水瀬夫婦が承諾した時点で契約は成立した……。