世界の果てまでキミと一緒に。
「そうだ、桜子」
「はい」
「この部屋から出てみたいか?」
「えっ?」
今度は私が驚く番だ。
私は千尋様の言葉に目を見開いた。
この部屋から出る事は許されないことだったんじゃ……。
私が出ないように、この部屋に部屋をかけてたんでしょ?
なのに、何で?
「いつも、ここから庭を眺めてると綾乃から聞いた」
それは何もすることがなくて退屈だったから庭を眺めていただけで……。
確かに、この部屋にずっといるより外に出たい気持ちは大きい。
だけど、本当にいいの?
「いいん、ですか?」
さっきまで躊躇なく言葉がポンポン出ていたのに、今度は千尋様の言った言葉に恐る恐る聞いている自分がいた。