世界の果てまでキミと一緒に。
「あぁ、庭を散歩するといい」
「あ、ありがとう、ございます」
私は千尋様に頭を下げた。
「それから、これを飲んどけ」
千尋様はそう言って、病院でもらうような薬の袋を軽く投げてきた。
それを受け取る。
「あの、これは……」
「ピルだ」
「えっ?」
「妊娠、したくないだろ?」
ピルって、確かセックスをして72時間以内に飲めば妊娠しないとか……。
でも初めての時には中に出されて、100%妊娠してないとは言い切れない。
だから今更、ピルを飲んでも今日の事は防げても1週間前の事は防げない。
でも千尋様からの命令だ。
私は口答えせず、千尋様の言う事だけ聞いてればいいんだ。
私がピルを飲むのを見届けると、千尋様は部屋から出て行った。
いつもの鍵をかける音は部屋に響くことはなかった。