世界の果てまでキミと一緒に。
しばらく待っていると、藤堂さんが戻ってきた。
「アールグレイはお好きですか?」
藤堂さんはそう言って、テーブルにティーセットを置いた。
このカップも高級なんだろうな……。
てか、アールグレイって名前は聞いたことあるけど……。
私は紅茶には詳しくなく……。
好きか嫌いかもわからない。
だけどそう言うのが恥ずかしく……。
「す、好きです」
つい嘘をついてしまった。
「良かったです。こちらのお菓子もどうぞ?」
「あ、ありがとうございます」
このクッキーも庶民には手が届かないくらい高級なんだろうな……。
琥珀色の紅茶がカップに注がれていく。
紅茶の香りが部屋に広がる。
「冷めないうちに、お召し上がり下さい。では失礼します」
藤堂さんはそう言って、一礼すると部屋から出て行った。
カップとソーサを持って、アールグレイを一口飲む。
紅茶の味は正直、よくわからない。
でも美味しいということだけわかる。
カップとソーサをテーブルに置いて、窓の外の庭を眺める。
大きな窓から陽が射し、ポカポカと気持ち良くて……。
何だか、眠くなってきちゃった……。
目が自然と閉じていく。
そこで私の意識はなくなった……。