世界の果てまでキミと一緒に。



この部屋から出られる。


ただ、部屋から出られるだけなのに私の心はワクワクしていた。


しばらくして部屋のノックをする音がして、綾乃さんが部屋に入って来た。



「千尋様から聞きました。外に出てもいいと許可が下りたそうで!」


「そうなんです!私、凄くワクワクしちゃってます」


「良かったですね!」


「はい」



私は綾乃さんに笑顔を見せた。



「そろそろ昼食の時間なので、今日はお庭で召し上がられたらどうですか?」


「えっ?いいんですか?」


「はい。お庭の方にご用意致しますね」


「ありがとうございます」



庭だけど、外に出られる。


ただ、それだけなのに遠足に行く小学生の気分だった。




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