世界の果てまでキミと一緒に。




「そう言えば、桜子様はお名前に桜がつきますよね。4月生まれですか?」


「いえ、私は12月生まれなんです」


「そうなんですか?お名前に桜がつくから、てっきり4月生まれかと……」


「よく言われます」



私は綾乃さんにニッコリ微笑んだ。


昔から名前を言うと、必ず4月生まれか尋ねられてた。


違うと答えると、綾乃さんが言ったことと同じことを言われてきた。




「長い時間お庭に出られてお疲れになったでしょう?そろそろお部屋に戻りましょうか?」


「そうですね」



もう少し外にいたかったけど、私はそう言った。


気を遣ってくれている綾乃さんにワガママを言うのは悪いと思ったから。


桜の木から離れた時、桜の木を見上げた。


その時、私の目に映ったのは窓の外から桜を眺める千尋様だった。


こちらに気付いた千尋様と目が合う。


トクンと胸が跳ね上がる。


恥ずかしくて思わず目を逸らした。




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