世界の果てまでキミと一緒に。



ふと窓から下を見ると、桜子と綾乃の姿が目に入ってきた。


桜を見つめる2人。


俺の胸は“トクン”と小さく鳴った。


上から桜子を見つめる。


笑顔で会話をする桜子と綾乃。


さっき俺に見せてくれた笑顔を同じ。


ここに来た時には、笑顔もなく怯えた目をしていた。


それが今、桜子の顔には笑顔がある。


ちゃんと笑えるんだと思うと、何だかそれが凄く嬉しかったんだ。


部屋に戻るんだろうか。


2人が桜から離れ、庭の方に歩きだした。


その時、桜子が桜を見上げた。


俺に気付き、目が合う。


でも桜子はすぐに目を逸らしてしまった。




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