世界の果てまでキミと一緒に。
「お待たせしました」
藤堂がトレイに置かれたティーセットを持って書斎に入ってきた。
「社長が桜を見るなんて珍しいですね」
テーブルにトレイを置きながらそう言った藤堂はクスッと笑った。
確かに、前までの俺を知ってる者なら不思議に思うだろうな。
この俺が花を見ていることに。
「まぁ、たまには花を見るのもいいなと思ってな」
俺はそう言いながら、窓から離れてソファーに座った。
「桜子さんが来られてから、社長は変わられましたね」
藤堂はそう言いながらウェッジウッドのティーポットからお揃いのカップにお茶を注ぐ。
アールグレイの香りが部屋に漂う。
藤堂の淹れてくれたお茶をストレートで一口飲んだ。
ー千尋Side endー