世界の果てまでキミと一緒に。
「そうなんですか」
桜子はそう呟いた。
それからしばらくして、注文していた料理が運ばれてきた。
ここのレストランでは、数えきれないほど食事をしている。
何に、何でだろう……。
いつも食べている食事が、いつも飲んでいるワインが、今日は特別、美味しいと感じた。
「美味しい」と前菜やパスタを頬張り、食後のデザートは「別腹」と言って、目をキラキラさせながら食べる桜子の姿を見ていると、さっき父親に会っていた事なんて、遠い過去の記憶でしかなかった。
でも、俺は何も知らなかったんだ。
父親が何を考え、何を思っていたのかなんて……。
この時から、俺たちの運命の歯車は、徐々に狂いだしていたんだ――……。