世界の果てまでキミと一緒に。
「ここから見る夜景は、天と地がひっくり返ったようですね」
「どうして、そう思う?」
「下に見える夜景は、まるで星空のようで、それに比べて上に見える夜空は真っ暗で地のようです」
「面白い発想だな」
俺は桜子の言葉にクスッと笑った。
「そうですか?じゃあ、まるで宝石箱をひっくり返したような、とも言えば良かったですか?」
そう言ってくる桜子は、まるで子供みたいで可愛い。
「別に、そういう意味で言ったんじゃない。そう思う桜子は心が綺麗なんだなと……」
心の歪んだ俺には、そんな発想すら思いつかない。
「私の心は千尋様が思ってるほど、綺麗じゃありませんよ」
桜子はそう言ってクスッと笑った。