ジャスミン〜君へ咲いた愛〜
〜1・欠けた月と傷だらけの狼〜
あたし達が出逢ったのは、真っ暗な世界に薄く日が差した時だった。
君は人目なんか気にしないで、大人四人に対して、一人で殴り合いの喧嘩をしてた。
殴っては倍以上に殴り返されて、フラフラなのに、何度も立ち向かって行く。
あたしはと言うと、目の前で繰り広げられる喧嘩をぼんやりと眺めては、痛そうだなぁとか考えて、止めるわけでもなく立ち止まって、傍観者と化していた。
しばらくして、喧嘩してた大人四人は足がもつれそうになりながらも、どこかへいってしまい、君は道に倒れ込んでいた。