甘いkissを君にあげる
キミ色
「コレをこの公式に当てはめるの」
「‥‥‥」
「ほら、こーしたら解けるだろ?」
「‥‥‥」
「聞いてんの?」
「‥‥‥‥」
「おい、‥‥俺の話が聞けないヤツは、お仕置きだな」
「‥‥‥ぎゃぁあ―――!!!!!」
意地悪に頬を上げる男が目の前にいた。
「おら、ちゃんと集中しろよな」
「はいぃ‥‥」
間近に迫った再テストを前に私は毎日勉強と格闘していた。
「だめ、全然わかんない」
琉風に家庭教師を頼んだ私だけど‥‥琉風の言ってるコトはさっぱり。
え?日本語デスカ?って思っちゃう。
特に数学は‥‥。
「わかんないじゃねーよ聞いてねぇだけだ」
た、確かに!
「そこ納得するとこじゃねーだろ!!!!」
欠かさず突っ込みを入れる琉風は最近変わった気がする。